おふとんにくるまって

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【919.5】白雲の章

※本記事はネタバレを含みます

 

 

 


▶︎4月:大樹の節

オグマ山脈から吹き下ろす冷たい風が弱まると、フォドラの大地は豊かな緑を芽吹かせ、一年の始まりを告げる。

やがてその緑が大地へと成るように、人々は自らの生が実り多きものとなるのを祈って年始を祝うのである。

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▶︎5月:竪琴の節

この節に生まれ、あるいは亡くなった聖人にちなみ、フォドラの人々は彼らが好んだとされる音楽を奏でる。
竪琴や笛、歌で、思い思いに興じられるその響きたちは、タルティーンやグロンダーズの広大な野に種まく者の間を舞い踊る。

 

 

▶︎6月:花冠の節

アドラステアの南の海から、温かい風が吹きつけるようになると、フォドラの人々は雨期の到来を知る。

激しい雨に打たれて傷んでしまう前に、娘たちは急いで白い薔薇で花冠を編み、想い人や親しい間柄の者に贈るのである。

 

 

▶︎7月:青海の節

日を重ねるごとに陽は強くなり、虫の音と共に夜は短くなる。

女神がいるという青海の星が空に戻ると、人々はその再誕を喜び祝う。

ガルグ=マク大修道院では再誕の儀が厳かに執り行われ、フォドラの熱心なセイロス教徒は、揃って大修道院に足を運ぶのだ。

 

 

▶︎8月:翠雨の節

生い茂った草木を濡らす雨は、時に烈風を纏い、時に霹靂と共に降り注ぐ。

雲間から射す陽光に照らされた翠雨は、フォドラの大地を潤す恵みとなり、自然の厳しさを教える災いともなる。

そして、雨の通り過ぎた後には、美しい虹が架かる。

 

 

▶︎9月:角弓の節

ファーガスの北から、涼やかな空気が下り始めると、フォドラは実りの秋を迎える。

女たちは黄金色の絨毯を刈り取り、男たちは角弓を駆け巡る。

女神のもたらす大地の豊穣を、精一杯に享受するのである。

 

 

▶︎10月:飛竜の節

天に轟く声で飛竜の群れが鳴き合うと、越冬のため南へと去ってゆく。

その勇壮な姿を遠く見上げながら、子供たちは冬支度を手伝う。

木々に分け入っては薪を集め、川に糸を垂らしては魚を釣り上げて。

 

 

▶︎11月:赤狼の節

生けるものが姿を隠し始め、フォドラに長い冬が訪れる。

霧氷がじんわり降りていくように、ファーガスの北から寒さが覆っていく。

山際に沈みゆく夕陽が、狼の生え変わった冬毛を赤く照らすと、それを見た狩人は言う。

赤狼が出た、と。

 

 

▶︎12月:星辰の節

透き通った冬の空に、星辰が瞬く。

青海の星はその姿を隠し、女神は遠く天上から、地上の平穏を祈るという。

ガルグ=マク大修道院では、落成を記念する周年祭が今年も行われ、5年後の千年祭に向け、人々の祈りは大きくなってゆく。

 

 

▶︎1月:守護の節

守護聖人セイロスは、かつてこの季節に姿を現した。

フォドラ中で巻き起こる戦火に心を痛めた天上の女神が遣わしたのだ。

セイロスの頭上では”白きもの”が翼をはためかせ、戦いに赴く彼女らに文字どおり追い風を送ったという。

 

 

▶︎2月:天馬の節

ファーガスの北の地は、吐く息も凍る寒さに包まれ、アドラステアの南の海でさえ冷たい風が吹きつける。

空から天馬の羽根とも見紛う雪が舞い落ちると、フォドラの首飾りは真珠より白くなり、険しい喉元を更に険しくするのである。

 

 

▶︎3月:孤月の節

月明りのさやけさを共に感じながら、人々は一年の終わりを思い偲ぶ。

別れを惜しみ、出会いに胸を膨らませ、それぞれの道を歩いてゆく。

徐々に濃くなっていく春の気配をよそに、空にはただ孤月が浮かんでいる。

何かを象徴すように……

 

 

 

 

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それでは、おふとんにくるまって。おやすみなさい

*1:オグマ山脈
風花雪月に登場する地名。
西側はアドラステア帝国とファーガス神聖王国を隔てるように存在する険しい山脈であり、他では見られない動植物や豊富な鉱脈で有名。
主にオグマ山脈に生息する生物としてオグマクズリがいる。またその肉は「天下無双のグリル」の食材となる。オグマ山脈 - ファイアーエムブレム用語辞典 - atwiki(アットウィキ)