※本記事はネタバレを含みます
いかがお過ごしでしょうか。
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【世界累計出荷100万本突破】
— 『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』公式 (@FireEmblemMusou) 2022年8月17日
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このタイトルでネタバレ含むんかいって言われそうですけど作品に触れる以上はネタバレかなと思ったので加えさせていただきました。
ようやくすべてのルートをクリアしましたので、今日はこれからプレイする人向けの記事です。ベレト/ベレスが仲間になった場合の青燐ルートの紹介をまだしていませんが、仲間にならなかった場合とさほど変わらなかったので割愛します。マジでなにも変化を感じられなかった…。
どんな作品について、かは公式サイトをご覧ください。簡単に説明すると2019年に発売されたファイヤーエムブレム風花雪月のスピンオフ作品であり無双シリーズとのコラボ作品です。本家とは異なる主人公で、選んだ道ごとの物語が展開されます。個人的には公式の二次創作かなという印象です。
というわけで本題に入ります。ネタバレが含まれますので苦手な方はお戻りください。
本日のワンクッションSS。
各ルートの印象
攻略順で書きますが全て主観です。最初にやる章がやはりすべての基準になってしまうかなと思います。
黄燎の章
帝国と協力関係を結びつつ王国に戦闘けしかけて最終的に教団を敵に回す話。主人公ちょっと疑われてる。
赤焔の章
同盟と協力関係を結びつつひたすら教団と闇に蠢くものと敵対する話。主人公ずっと疑われてる。
青燐の章
同盟と協力関係を結び教団を味方につけて帝国と敵対する話。主人公ほぼ疑われてない。
シナリオ
全体的な印象
前作のFE風花雪月と違って学園生活は無くほぼ全編が戦争編。単純な領土の取り合いではなくまず分断の起きた国内の平定から始まり、他国との戦争のために地盤を固めるという硬派で緊張感のある序盤~中盤のシナリオ。ただ締め方が雑。そこで終わってええんか?と言いたくなるくらい中途半端で、解明される主人公の謎も大して無く匂わせ程度。序盤~中盤が良い出来なだけに残念な部分が多かった。
3ルート共通して言えることはとにかく説明不足、これに尽きます。
黄燎の章
第一部は戦争の発端である帝国との戦い。圧倒的劣勢の状況を覆し自国を守る。第二部は王国、そしてセイロス聖教会との戦い。帝国と盟約(協力関係)を結び戦乱を終結させるべく中央教会打倒を目指す話。
赤焔の章
第一部は同盟との戦い。侵攻してくる同盟と戦いつつ国力の安定を目指す。第二部はセイロス聖教会と闇に蠢くものとの戦い。同盟と盟約を結び戦乱を終結させるべく中央協会と闇に蠢くものの打倒を目指す話。
青燐の章
第一部は自国内と闇に蠢くものとの戦い。分断のおきた国内の平定をし自国の地盤を固める他国との戦争に備える。第二部は同盟と協力関係を結んで中央教会らと共に帝国打倒を目指す話。
戦闘、兵種
今作では3すくみが復活したため、単純に力でゴリ押しするよりも3すくみを意識した方が戦闘が楽になっています。また兵種についても専用兵種はもちろん無双奥義に固有モーションがあったりとバリエーション豊かです。
ちなみにですがカメラワークは普通。歩行兵種が一番距離が遠く、騎馬兵種は普通、飛行兵種は圧迫感を覚えます。それでも全体的に少し近く、敵対象が大きかったりすると途端に戦いにくいです。
良い所
3すくみの復活により、武器ランクAよりもEで兵種特効があった方が強い武器が続出しています。例えばレイピアはEランクですが、騎馬と重装特効があるため強化すればAランクをも凌ぐ強さです。兵種特効がついている武器は各種あるのでうまく育てれば魔王兵種もグレートナイト相手にワンパンできます。
今作は4人をプレイアブルとして設定できるため、3すくみの設定と相成って従来の無双とは異なり戦略性に富んでいます。
無双奥義の固有モーションも一部のキャラはしっかり差別化されているので、個性を感じられます。
悪い所
当然と言えば当然ですが兵種ごとに1つしか武器を装備できないため、得意兵種と英雄の遺産・神聖武器が噛み合っていないキャラは望まない職に就かざるを得ない事があります。例えばアネットの得意兵種は魔法職なのに打ち砕くものが斧なためこれを使おうとしたら戦士系に行くしかないなど。ただ使えなくても問題ない人には関係ないし、今作は不一致でも特にデメリットが無いので使えるキャラに持たせるのもありです。実際、おすすめ装備にすると紋章不一致の神聖武器が設定されることなんてざらにあります。
無双奥義の固有モーションについてですが、一部は上級から最上級になった際に統一されてしまうキャラもいるのでまちまちです。なぜこうした。
またルートによっては魔法兵種が半数近くになってしまうんですが、前作のDLC兵種はトリックスターしか実装されていないので魔法系の最上級兵種が軒並みグレモリィになってしまいます。ダークペガサスやヴァルキュリアがあればもっと戦略性も出たと思うんですが…今作は騎馬苦手などの要素がほぼ機能していないので、好きな兵種に育てろと言われればそれまでかもしれません。
キャラクター、支援会話
今まで存在を示されながらも登場しなかったゴーティエ伯やベルグリーズ伯などに顔と声がついて登場。単なるチョイ役ではなく戦争の当事者としてシナリオにガッツリ絡んでくるのでシナリオの厚みやキャラへの解像度が違います。
また今作では戦闘中に説得(戦闘前に選択しないと失敗)ができるんですが、そういったキャラを中心に様々なキャラ同士の支援会話があります。ただ前作の掘り下げを期待していると肩透かしを食らうかもしれません。
良い所
赤焔の章ではベルグリーズ伯やヘブリング伯、青燐の章ではゴーティエ伯、黄燎の章ではホルストやシャハドなど、いるのはわかっていたけど本編に出てこなかったキャラが顔と声付きで多数参加しています。他にもいますが、とにかく声優の芝居が光る声劇が多くなったのが今作のポイント。
支援会話は前作までになかった新しいキャラ同士の絡みがあるのが面白いです。この2人で何話すん?と思ってしまう組み合わせもあってとにかく集めがいがあります。2周目ではちゃんと説得して他国のキャラも仲間にしよう、とか。
主人公と1対1で関係を深められる遠乗りでは、前作のお茶会よりもコミュニケーションがとれるようになったような気がします。
悪い所
とにかくキャラが多くなり、説明も兼ねて台詞量も増えたので話が長い。switchの初期設定だと暗転してしまうくらいには長いです。聞いているのが好きな人は平気だと思いますが、そこまで重視していない人には苦痛化も。
支援会話はAまで行くキャラが前作に比べ圧倒的に少ないです。例えばシルヴァン、前作ではイングリットに加えベレスを含めた4人のみでしたが今作では実質イングリットとシェズの2人のみ(ベレスもAまで行くが会話無)となっています。さらにアネットとメルセデスはAまであっても会話が発生するのはAのみだったり、他ではCとAのみ発生だったりと歯抜けも存在するので、シナリオ説明に全振りかな?と思わざるを得ない部分も。
遠乗りについても会話をした後に贈り物をしたり見つめたりできるんですが、見つめてる間ランダムで喋るはずの台詞が同じセリフしか言わなくなったりします。1点につき1台詞はちょっと…。
シェズとラルヴァとベレト/ベレスとソティス
ベレト/ベレスで無双をやりたかったんだ!という声を多数見かけましたが、シェズだからこういう話になったんだろうなと思います。
シェズはベレト/ベレスとは異なり級友という関係から様々なキャラと関わっていきますが、傭兵出身というしがらみの無さのおかげかほど良い距離感で分け隔てなくあまり出しゃばりません。ただそれが災いしたのか何なのか、誰に対しても敬語は使わずタメ口で接するので、苦手な人は苦手かもしれません。
またシェズの出生の秘密が明かされるシナリオですが、急に挟まれる上に全ての秘密が明かされてはいません。アッシュとの支援会話かどこかでシェズの母を知っていそうな人物に手紙を送る流れになりましたが、支援Aの終わりで届いたような描写がされたのみで内容は一切明かされませんでした。
ラルヴァって誰?という疑問に対しても明確な説明はなく、追加される外伝も過去を追体験しているような夢オチのみです。おそらく闇に蠢くものに関連しているんだろうなぁという具合。
ベレト/ベレスについては基本ほぼ空気でソティスもかなり傲慢な印象を受けました。これに関してはベレト/ベレスがメインで出てくると(敵の総大将とか)前作の主人公と言うこともあり出しゃばってる印象が強くなりやすいのでこのくらいがよかったのかなと思いました。ソティスについてはおそらく、前作とは違って記憶を失っていなんだろうなと思います。そう思うと辻褄が合うことが多いです。
なんというかこう、とにかく説明不足だなと思いました。
キャラ崩壊について(主にクロード)
一部で騒がれているキャラ崩壊について。おそらくクロードが筆頭かなと思います。
でも1年間ガルグ=マクで過ごした上に5年間も経過していた前作FE風花雪月に対し、今作はガルグ=マクで数ヶ月過ごした後あわただしく自国に戻って2年しか経っていません。年齢で言うと前作は17歳→23歳、今作は17歳→19歳となります。人として成熟した考えを持てていないのは当然ではないか、と思いました。そばにいたのがベレト/ベレスじゃないから、ではなく生きている時間も環境もまるで違うからそりゃ前作とは違うんだろうなと。
それだけガルグ=マクでの生活が彼にとって価値観を変える大きなものだったとも考えられますし、19歳という若さで国を背負わなくてはいけないという状況から焦りが出ていたのかもしれません。
前作でもクロードは中央協会については懐疑的でガルグ=マクでの生活や交流が少ない分聖教会への偏見や不信感が強く残っている、というのは理解できると思います。ただ積極的に王国を侵略してまで潰したがるのには違和感があるという意見も少なくないみたいです。これに関しては経験の浅さや若さからくる焦りだったり視野の狭さが大きく関係しているように思えました。おそらく彼は17歳の時に抱いていた偏見がほぼ何一つ変わらずに19歳となっています(前作23歳では他国の人や修道院の人との交流があったりで多少は考えを改めることもできたはず)。
こういう意見が出てしまうところが、説明不足と言わざるを得ない部分です。
まとめ
ここまで読んでくださりありがとうございました。長文乱文で申し訳ありません。
FE風花雪月のスピンオフ作品、新たな視点から描かれるストーリー。公式の二次創作という印象ですが、辻褄が合わなくなるほどの粗も無く全体的には重厚で読みごたえは十分でした。ただやり込めばやり込むほど詰めが甘いなと思います。
長く書きましたが、詳細は当時のプレイ記事を見て頂ければ幸いです。
それでは、おふとんにくるまって。おやすみなさい
小森千代